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「最近、電気代がやけに高い気がする……」
「もしかして、24時間ずっと回っているこの換気扇のせい?」
毎月の電気代の明細を見て、ため息をついていませんか?
特に新築やマンションに引っ越したばかりだと、壁や天井についている24時間換気システムの存在が気になりますよね。
「節約のためにスイッチを切りたい!」
その気持ち、痛いほどよくわかります。
実は私自身、過去に電気代を削ろうと「24時間換気のスイッチを切り、給気口までピッタリ閉め切る」という暴挙に出たことがあります。
結果はどうなったか。
冬場の窓ガラスは結露でびっしょり。クローゼットの奥には大切なコートにカビが生え、壁紙の修繕費までかかるという大惨事を引き起こしました……。
結論から言うと、24時間換気は「止める」のではなく「正しく管理する」のが大正解です。
実は、換気扇本体の電気代はあなたが思っているほど高くはありません。
この記事では、24時間換気システムの本当の電気代目安から、ご自宅での計算方法、そして「止めずにできる確実な節約策」までをわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 24時間換気システムの月額電気代目安
- 自宅の換気扇の電気代を計算する方法
- 換気を止めてはいけない本当の理由
- 誰でもできる安全な電気代節約術
結論|24時間換気システムの電気代は月数十円〜数百円台が目安。ただし機種で変わる
まずは一番気になるお金の話から。
「24時間つけっぱなしなんて、月に何千円もかかるんじゃ……」
そう不安になるかもしれませんが、安心してください。
一般的な24時間換気システムの電気代は、月に数十円から数百円程度に収まるケースがほとんどです。
月額目安の考え方
もちろん、家全体の広さや設置されている換気扇の数、そして何より「機種」によって消費電力は変わります。
トイレや洗面所についている小さなパイプファン(小型の換気扇)なら、月の電気代は数十円レベル。
一方で、家全体を強力なファンで換気するような大掛かりなシステムだと、月数百円〜1,000円弱かかることもあります。
つまり、「一概に〇〇円!」とは言えないのです。
だからこそ、ご自宅の機器に合わせた計算が必要になります。
自宅の電気代は消費電力Wで計算する
自宅の換気扇がどれくらい電気を食っているのか。
それを知る鍵は「消費電力(W:ワット)」にあります。
換気扇の本体カバーの隅や、取扱説明書の仕様欄を見てみてください。
そこに「定格消費電力 1.7W」や「20W」といった数字が書かれているはずです。
この数字さえ見つかれば、スマホの電卓でサクッとご自宅の電気代が計算できます。
24時間換気システムの電気代計算式
では、実際に計算してみましょう。
電気代の計算って難しそうに見えますが、実はとてもシンプルです。
計算式:W÷1000×24時間×30日×単価
以下の式に、先ほど見つけた「消費電力(W)」と、ご契約の「電力量単価(円/kWh)」を当てはめるだけです。
【消費電力(W) ÷ 1000】 × 24時間 × 30日 × 電力量単価 = 月の電気代
※「÷1000」をするのは、W(ワット)を電気料金の計算に使われるkW(キロワット)に直すためです。
31円/kWhで計算した早見表
「電力量単価って言われても、パッと出てこないよ」
という方のために、目安となる単価を使って早見表を作りました。
ここでは、全国家庭電気製品公正取引協議会が定めている電気料金の目安単価「31円/kWh(税込)」を使用しています。
ご自宅の換気扇のW数に近いものを見つけてみてください。
参考:電力料金目安単価について(全国家庭電気製品公正取引協議会)
消費電力別|24時間つけっぱなしの電気代早見表
消費電力ごとの月額・年額の目安は以下の通りです。
| 消費電力(W) | 1日の電気代 | 1カ月(30日)の電気代 | 1年(365日)の電気代 |
|---|---|---|---|
| 1W | 約0.7円 | 約22円 | 約272円 |
| 5W | 約3.7円 | 約112円 | 約1,358円 |
| 10W | 約7.4円 | 約223円 | 約2,716円 |
| 20W | 約14.9円 | 約446円 | 約5,431円 |
| 30W | 約22.3円 | 約670円 | 約8,147円 |
| 40W | 約29.8円 | 約893円 | 約10,862円 |
※計算根拠:31円/kWhで算出。実際の金額はご契約の電力会社やプランにより異なります。
いかがでしょうか?
最新の省エネモーター(DCモーターなど)を積んだ数ワットの換気扇なら、月にたった数十円〜百円ちょっと。
「あれ、思っていたより安いぞ」と感じた方も多いはずです。
第1種・第2種・第3種換気で電気代はどう違う?
「でもうちのシステムはもっと大掛かりな気がする」
そんな方は、自宅の換気方式をチェックしてみてください。住宅の換気システムは大きく分けて3つのタイプがあり、それぞれ電気代の傾向が違います。
第1種換気|給気・排気とも機械
外の空気を取り込む(給気)のも、中の空気を捨てる(排気)のも、両方とも機械の力で行うのが「第1種換気」です。
空気をしっかりコントロールできるため高性能ですが、2つのファンを回すため、どうしても消費電力は高めになります。
ただし、この方式には「熱交換器」がついていることが多く、外の冷たい空気(暑い空気)を室温に近づけてから取り入れてくれます。
ファン自体の電気代はかかりますが、エアコンの負担をグッと減らしてくれるため、家全体の電気代で見るとむしろお得になるケースも少なくありません。
第3種換気|自然給気・機械排気
一般の戸建てやマンションで最もポピュラーなのが「第3種換気」です。
壁の穴(給気口)から自然に空気を取り込み、トイレや洗面所の換気扇(機械)で排気します。
機械を使うのは排気だけなので、本体の電気代は安く抑えやすいのがメリットです。
しかし、外の冷たい空気や暑い空気がそのまま入ってくるため、「冬は足元が寒い!」と感じやすく、エアコンの設定温度をつい上げてしまう要因になることがあります。
参考:換気方式ごとの仕組み(住まいの設備と建材 Panasonic)
24時間換気システムは止めてもいい?
ここまで読んで、「電気代が安いならまあいいか」と思った方もいれば、「チリツモだからやっぱり止めたい!」と思った方もいるでしょう。
冒頭での私の失敗談を思い出してください。
結論を繰り返しますが、基本的には絶対に止めてはいけません。
基本は止めっぱなしにしない
なぜ24時間換気システムが住宅についているのか。
それは、建築基準法という法律で設置が義務付けられているからです。
2003年7月以降に建てられた住宅は、建材から出る化学物質(ホルムアルデヒドなど)による「シックハウス症候群」を防ぐため、1時間で室内の空気の半分が入れ替わる仕組み(換気回数0.5回/h以上)を設けるルールになりました。
スイッチを切ってしまうと、化学物質が部屋に滞留するだけでなく、人の呼吸や料理で出た湿気が逃げ場を失います。
結果として、窓の結露やダニ・カビの大繁殖を引き起こし、家の寿命を縮めるだけでなく、家族の健康まで脅かす可能性があるのです。
参考:建築基準法に基づくシックハウス対策について(国土交通省)
一時停止を検討するケース
ただし、「絶対に何が何でも24時間365日回し続けろ」というわけではありません。以下のような異常事態では、一時的に止めるのが正解です。
- 台風や暴風雨のとき:雨水が逆流して吹き込んでくるのを防ぐため。
- 外気がひどく汚れているとき:近隣での火事、大量の花粉・黄砂、排気ガスがひどい場合など。
天候や環境が落ち着いたら、忘れずにすぐスイッチを入れ直しましょう。
電気代を節約するなら停止より先にやること
「止めるのはマズイとわかった。でも電気代はなんとかしたい!」
そんな方に向けた、安全で効果的な節電アクションをご紹介します。
フィルター・給気口を掃除する
これが一番重要です。
換気扇のフィルターにホコリがびっしり詰まっていると、空気を吸い込むためにモーターが余計なパワーを使います。
換気効率が落ちてカビが生えやすくなるうえに、無駄な負荷がかかる悪循環です。
月に1回を目安に、掃除機でホコリを吸い取ったり、水洗いできるものは洗ったりしましょう。
お手入れをサボりすぎると、最悪の場合モーターが焼き付いて故障し、高い修理代を払う羽目になりますよ。(経験者は語ります……)
給気口を閉めっぱなしにしない
「冬は冷たい風が入ってきて寒いから」と、壁にある給気口のレバーを「閉」にしていませんか?
これをやると、空気が入ってこないのに排気扇だけが必死に空気を引っ張り出そうとするため、部屋の中が「負圧(真空に近い状態)」になってしまいます。
玄関のドアが重くて開けにくくなったり、換気扇から「ブオーン」と苦しそうな異音がしたりしたら、それは給気口が塞がっているサインです。無駄な電気を使わないためにも、給気口は常に開けておきましょう。
弱運転・常時換気モードを確認する
お風呂上がりに浴室の換気扇を「強」にして、そのまま忘れていませんか?
多くのシステムには「24時間換気(常時)モード」や「弱運転」のボタンがあります。
普段は一番消費電力の少ない「常時」や「弱」に設定しておくのが、最も簡単な節約術です。
24時間換気より電気代が高くなりやすい原因
ここまで読んで、こう思いませんでしたか?
「換気扇の電気代が月数百円なら、うちのバカ高い電気代の犯人は別にあるのでは?」
その通りです。
家庭のエネルギー消費において、大部分を占めるのは「エアコンなどの冷暖房」と「給湯(お風呂など)」です。
24時間換気を止めて月数百円を浮かせるよりも、根本的な「電力会社・料金プランの見直し」をするほうが、月数千円単位でドンと電気代が下がる可能性が高いです。
「そういえば、引っ越してから一度も電力会社を気にしたことがない」
「今の自分の生活スタイルに合っているプランかわからない」
そんな方は、一度プロの目で複数の電力会社を比較してもらうのが一番の近道です。無駄な固定費は、サクッと見直して削ってしまいましょう。
マンションと戸建てで確認すべきポイント
住んでいる家のタイプによっても、チェックすべきポイントが変わります。
- マンションの場合:
機密性が非常に高いため、24時間換気を止めるとあっという間に結露します。多くは浴室乾燥機と一体になった第3種換気が採用されています。もし本体が古くて異音がする場合は、勝手に交換せず、まずは管理会社やオーナーに相談してください。 - 戸建ての場合:
家全体をダクトでつなぐ大掛かりな「全館換気(第1種換気など)」が導入されている場合があります。フィルターの清掃箇所が天井裏や床下など、複数あるケースが多いので、取扱説明書で「どこを掃除すべきか」を一度洗い出してみましょう。
よくある質問
最後に、24時間換気にまつわるよくある疑問をサクッと解決します。
24時間換気と浴室換気扇は同じ?
違います。
「24時間換気」は家全体の空気をゆっくり計画的に入れ替えるもの(計画換気)。
「浴室換気扇」は、お風呂の湿気やニオイを一時的に強力に排出するもの(局所換気)です。
浴室に「24時間換気」のスイッチがついている場合は、浴室のファンを使って家全体の空気を引っ張っている(第3種換気)ことが多いです。
フィルター交換で電気代は下がる?
「必ず下がる」とは断言できませんが、目詰まりを解消することでモーターの負荷が減り、無駄な電力消費を抑える効果は十分に期待できます。何より、きれいな空気を保つために定期的な清掃・交換は必須です。
冬寒い場合はどうする?
給気口から冷たい風が入って寒い場合、給気口の向きを変えるカバーを取り付けたり、冷気が直接人に当たらないように家具の配置を変えたり工夫しましょう。
どうしても寒さが厳しい場合は、外気を温めて取り込む「熱交換型」のシステムへのリフォームや、窓の断熱対策(内窓の設置など)を検討する時期かもしれません。
24時間換気システムは、家族の健康と大切な家を守る「肺」のような存在です。
むやみに息を止めるのではなく、フィルター掃除や電力プランの見直しという「正しいアプローチ」で、賢く電気代を抑えていきましょう!

