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省エネ冷蔵庫を検討するときは、まず「どのくらい電気代が変わるのか」を数字で押さえておくと判断しやすくなります。
経済産業省 資源エネルギー庁が運営する「省エネ型製品情報サイト(冷蔵庫)」では、メーカーごとの年間消費電力量や省エネ基準達成率を一覧で比較できます。
また、家電量販店などで見かける「星の数が描かれたラベル」は、環境省や資源エネルギー庁がすすめる統一省エネラベルで、省エネ性能を1〜5段階の星と年間目安電気料金で分かりやすく示したものです。
同じ容量帯の冷蔵庫を比較するときは、この星の数と年間消費電力量をセットで見ると、実際のランニングコストをイメージしやすくなります。
この記事を読み終えるころには、自分のライフスタイルや住環境に合うかどうかを判断できるようになり、買い替えのタイミングやグレード選びの目安も明確になるはずです。
この記事でわかること
- 省エネ冷蔵庫の主なデメリットと背景が分かる
- 初期費用と電気代の損益分岐の考え方が分かる
- ラベル表示や省エネ基準達成率の読み方が分かる
- デメリットを抑える設置方法と使い方が分かる
省エネ冷蔵庫のデメリット総論

初期費用と電気代の損益分岐
省エネ性能の高い冷蔵庫は、同じ容量帯のスタンダードモデルと比べて、本体価格が数万円高くなることが少なくありません。これは、インバーター制御や高性能断熱材、複数のセンサーなど、コストのかかる部品や技術が多く使われているためです。
一方で、電気代の面では15年前の400Lクラスの冷蔵庫が年間900kWh前後、電気代にすると約27,000円であるのに対し、最新の400Lクラス省エネモデルでは年間300kWh前後、約9,000円というデータがあります。同じ容量でも年間で約2万円の差が出る計算です。
イメージしやすくするため、ざっくりとした比較表をまとめると次のようになります。
| 機種のイメージ | 容量の目安 | 年間消費電力量 | 年間電気代の目安 |
|---|---|---|---|
| 約15年前の旧型冷蔵庫 | 400L前後 | 約900kWh | 約27,000円 |
| 現行の省エネ冷蔵庫 | 400L前後 | 約300kWh | 約9,000円 |
本体価格で3〜5万円の差があり、毎年2万円近く電気代が下がると仮定すると、元が取れるまでの目安はおおよそ2〜3年です。ただし、これは「今の冷蔵庫がかなり古く、消費電力が大きい場合」の話です。
まだ比較的新しい冷蔵庫から、省エネ性能が一段だけ高い上位モデルに買い替えるようなケースでは、電気代の差が年間数千円程度にとどまることもあり、その場合は回収まで5〜10年かかることもあります。
持ち家で長く住む予定なら、多少高くても省エネモデルを選ぶ価値が出やすくなりますが、転勤が多い人や、数年で引っ越す予定の賃貸住まいの方は、回収前に買い替えや処分を迎える可能性もあります。
どのくらいの期間使うつもりなのかを想定しながら、初期費用とランニングコストのバランスを見ることがポイントです。
設置環境で変わる省エネ性能

省エネ性能はカタログ値だけで決まるものではなく、設置環境によっても大きく左右されます。冷蔵庫の周囲に十分な放熱スペースが確保されていないと、背面や側面から熱が逃げにくくなり、コンプレッサーの負荷が上がります。
その結果、庫内が冷えにくくなるだけでなく、消費電力も増えやすくなります。日本電機工業会のガイドラインでも、冷蔵庫の周囲に適切な隙間を確保することが推奨されています。
多くのメーカーは、左右数センチ〜十数センチ、上部にも数センチ以上のクリアランスを開けるよう案内しています。狭いキッチンで壁にぴったり押し付けてしまうと、省エネ設計のメリットが十分に発揮されません。
さらに、直射日光が当たる場所やガスコンロのすぐ隣など、周囲温度が高くなりやすい場所に設置すると、冷蔵庫は庫内温度を保つためにフル稼働する必要があり、省エネどころか電気代が増えてしまう状況になりがちです。
賃貸マンションでは、冷蔵庫置き場のサイズがあらかじめ決まっていることも多く、ギリギリのサイズで選んでしまうと放熱スペースが取れないことがあります。購入前に、実際の設置場所の幅・奥行き・高さをメジャーで測り、余裕を持ったサイズで選ぶことが、省エネ性能を活かすための前提条件となります。
冷えない原因と温度ムラの注意
省エネ冷蔵庫でよく聞かれる不満が、冷えが弱い、温度ムラがあるといった声です。省エネ設計では、コンプレッサーの出力を抑えつつ、必要な時だけ効率的に冷やすように制御しているため、大量の温かい食材を一気に入れたときや、ドアの開閉が続いたときに、庫内温度が元に戻るまで時間がかかることがあります。
また、間冷式(ファン式)であっても、冷気の吹き出し口付近とドアポケット、野菜室とでは温度に差が生じます。扉側や最上段は温度が高くなりやすく、冷えが甘いと感じやすい場所です。冷蔵庫全体は規定温度を満たしていても、よく使う飲み物や調味料をドアポケットに集めすぎると、体感として「ぬるい」と感じる状況が起こります。
こうした温度ムラや冷えの弱さは、省エネ冷蔵庫固有の欠点というより、設計と使い方の組み合わせで目立ちやすくなる問題といえます。例えば、
- 温かい鍋をそのまま入れず、粗熱を取ってから入れる
- まとめ買いした生鮮食品は、冷気がよく回る棚に分散して置く
- ドアポケットには、傷みやすい食品を詰め込みすぎない
といった工夫をするだけでも、「冷えない」と感じる場面を減らせることがあります。
一方で、そもそも冷却能力が小さすぎるモデルや、冷気の循環設計が十分でないモデルも市場には存在します。そのため、省エネ性能だけでなく「冷却性能」「冷却方式」「ユーザーレビュー」もあわせて確認し、冷え方に関する評価が偏っていないかをチェックしておくと安心です。
運転音がうるさいと感じる理由
省エネ冷蔵庫は静音性も向上しているものの、運転音が気になるケースはゼロではありません。特にワンルームや1Kなど、寝室とキッチンが近い住まいでは、深夜のコンプレッサー音やファンの音が気になりやすくなります。
省エネ制御では、通常時は低い出力で静かに運転し、庫内温度が上がったと判断したタイミングで一時的に出力を上げることがあります。このとき、ブーンという低い駆動音や、ウィーンという高めの音が目立つことがあり、以前の機種ではあまり聞こえなかった音がするため、不安に感じる利用者もいます。
また、霜取り運転のタイミングでは、内部で水分が滴る音や、氷が割れるような音がする場合もあります。これも省エネのために自動霜取りを行う仕組みの一部で、多くは異常ではありません。
それでも音が気になる場合は、次のような点を見直してみる価値があります。
- 床が傾いておらず、冷蔵庫が水平に設置されているか
- 壁や家具に密着しておらず、振動が共鳴していないか
- 冷蔵庫の上に重い電子レンジなどを載せて共振していないか
設置の傾きや周囲との干渉によって、本来よりも音が増幅されているケースは少なくありません。引っ越し直後や、模様替えの後に急に音が気になり始めた場合は、設置状態を確認することが解決につながります。
故障リスクと修理費の目安
省エネ性能の高い冷蔵庫は、温度センサーやドア開閉センサー、ファンモーター、インバーター制御基板など、電子部品の点数が多く、高機能化が進んでいます。その分、どこか一つでも故障すると、冷えない、異常音がする、エラー表示が出るといったトラブルにつながる可能性があります。
修理費用の目安としては、温度センサーの交換で1〜3万円前後、ファンモーターや基板の交換になると数万円、コンプレッサーの交換では数万円〜10万円前後という事例もあります。
保証期間内であれば無償修理になることもありますが、年数が経ってからの故障は、修理より買い替えを勧められることも珍しくありません。
特に、真空チルド機構や自動製氷、急速冷凍などの付加機能が多いモデルでは、それぞれに対応したセンサーやモーター、配管が追加されているため、潜在的な故障箇所はどうしても増えます。
一方で、国内メーカーの大手モデルは耐久性に配慮した設計がされており、通常使用であれば10年前後使い続けている家庭も多くあります。目安としては、
-
使用年数が7〜8年未満であれば、状況によって修理を検討
-
10年以上経過しており、修理費が高額な場合は買い替えを視野に入れる
といった考え方が現実的です。故障時のリスクを抑えたい場合は、延長保証の有無や期間も合わせて確認しておくと安心感が高まります。
省エネ冷蔵庫のデメリット対策

大容量冷蔵庫のデメリット事情
大容量の省エネ冷蔵庫は、家族の多い世帯やまとめ買いが多い家庭にとって心強い存在ですが、特有のデメリットもあります。まず、本体サイズが大きく、搬入経路や設置スペースの制約が非常にシビアになる点です。
マンションの玄関ドア幅、廊下の曲がり角、エレベーターの内寸、キッチンの入口など、途中でつかえてしまう箇所がないか事前確認が欠かせません。せっかく省エネ性能の高い大容量モデルを選んでも、搬入できずキャンセルになるトラブルも実際に起こっています。
設置後も、観音開き(フレンチドア)タイプでは、扉を大きく開くスペースが必要です。キッチンが狭いと片側の扉が開き切らず、引き出しが全開できない、野菜室や冷凍室が奥まで引き出せないといった不便さにつながります。
使い勝手の面でも、背の低い家族にとっては最上段の奥に手が届きにくく、デッドスペースが生まれやすくなります。
ただし、大容量モデルはインバーター制御や高性能断熱材が積極的に採用されていることが多く、400Lを超えるクラスでは、むしろ小型機種より年間電気代が安くなるというデータもあります。
電気代の面では有利でも、サイズや動線の問題でストレスを抱えることがあるため、間取りと家族の身長・動線を踏まえて検討することが大切です。
小型省エネ冷蔵庫の注意点
一人暮らし向けの小型省エネ冷蔵庫は、本体価格も手頃なものが多く、省スペースで設置しやすいのが魅力です。しかし、容量が100〜200L前後のクラスでは、冷凍室が非常に小さかったり、庫内レイアウトに制約が多かったりするため、使い始めてから不便さを感じることもあります。
また、ペルチェ方式の小型冷蔵庫や冷温庫は、静音性と省スペース性に優れている一方で、冷却能力は高くありません。ペルチェ方式では一般的なコンプレッサー式と比べて冷却効率が低く、庫内温度を大きく下げることが苦手だとされています。5℃以下にしづらい製品も多く、冷凍室を備えないモデルがほとんどです。
このような小型機種は、
- 飲み物やお菓子、サプリメントを冷やしておく
- 寝室や書斎、車内での簡易的な冷蔵用途
といった用途には向きますが、日常的な食品の長期保存やまとめ買いには不向きです。一般的な冷蔵庫として使おうとすると、冷えが足りない、冷凍できない、すぐに容量が足りなくなるといった不満につながりやすい点に注意が必要です。
一人暮らしであっても、自炊頻度が高い場合や、冷凍食品を多く利用する場合は、容量200〜300Lクラスで冷凍室がしっかり確保されたモデルを検討した方が、結果的にストレスが少なくなります。小型省エネ冷蔵庫は、用途を明確に割り切って選ぶことがポイントです。
省エネラベルと基準達成率
省エネ冷蔵庫を選ぶ際に見落としがちなのが、省エネラベルと省エネ基準達成率の意味です。日本では、家電量販店の店頭やカタログに、省エネルギーラベルや統一省エネラベルが表示されており、省エネ性能を比較するための手がかりになります。
省エネルギーラベルには、おおむね次のような情報が含まれています。
| 項目名 | 概要のイメージ |
|---|---|
| 省エネ性マーク | 省エネ基準を満たすかどうかを示す色付きマーク |
| 省エネ基準達成率 | 目標基準値に対して何%達成しているか |
| 年間消費電力量 | 1年間の消費電力量(kWh/年) |
| 年間目安電気料金 | 電気代単価を基にした年間目安電気料金 |
省エネ基準達成率は、製品の省エネ基準に対する達成度合いをパーセンテージで表したもので、数値が大きいほど省エネ性能が高いとされています。統一省エネラベルでは、星の数や多段階評価点で省エネレベルが示されており、同じ区分の製品を比較する際に役立ちます。
ただし、容量や冷却方式が異なる冷蔵庫を横並びに比較する場合には、単純に達成率だけを見ても意味が変わってしまうことがあります。たとえば、内容積が大きくなれば、同じ達成率でも年間消費電力量は増える傾向があります。
そのため、ラベルを見るときは、
- 自分が検討している容量帯の中で比較する
- 省エネ基準達成率と年間消費電力量の両方を見る
- 年間目安電気料金で、おおよそのランニングコストを確認する
という順番でチェックすると、誤解が少なくなります。数字が多くて分かりにくく感じるかもしれませんが、「達成率が高いほど省エネ」「年間消費電力量が小さいほど電気代が安い」という2点を押さえておけば、冷蔵庫選びの頼れる指標になります。
使い方次第で変わる電気代
省エネ冷蔵庫を選んだとしても、使い方次第では期待したほど電気代が下がらないことがあります。電気代は基本的に「年間消費電力量(kWh)×電気料金単価(円/kWh)」で計算されますが、この年間消費電力量は、あくまで標準的な使い方を想定した試験条件で測定された値です。
実際の家庭では、次のような要因で消費電力量が増えやすくなります。
- ドアの開閉回数が極端に多い
- 熱い鍋や炊きたてのご飯をそのまま入れてしまう
- いつも中身がパンパンに詰まっていて冷気が循環しない
- 扉の閉め忘れや、パッキンの劣化で隙間風が入る
これらは、省エネ冷蔵庫であっても共通して電気代を押し上げる要因です。逆に、少し意識するだけで、省エネ効果を引き出しやすくなります。
温かいものを入れる前に粗熱を取る、詰め込みすぎないように中身を整理する、長時間使わない部屋のミニ冷蔵庫は電源を切るなど、日常の小さな行動で年間の電気代が変わってきます。省エネ性能の高さはあくまで土台であり、その上でどのように使うかが結果を左右することを理解しておくことが大切です。
省エネ冷蔵庫のデメリットまとめ
まとめ
- 省エネ 冷蔵庫 デメリットは初期費用と回収年数の確認が欠かせない
- 古い冷蔵庫との電気代差額をシミュレーションし損益分岐を把握する
- 設置スペースと放熱の余裕がないと省エネ性能が十分に発揮されない
- 日当たりやコンロ位置など周囲環境も省エネ冷蔵庫デメリットに直結する
- 大量に温かい食材を入れると一時的に冷えない温度ムラが起こりやすい
- ドアポケットや最上段は温度が高めになり飲み物がぬるく感じやすい
- ワンルームでは運転音がうるさいと感じる場面が出やすく設置場所が鍵
- 高機能モデルはセンサーや基板故障時の修理費が高額になりやすい
- 大容量モデルは搬入経路と扉の開き具合を確認しないと使いにくさが残る
- 小型省エネ冷蔵庫やペルチェ式は用途を絞らないと冷却力不足で後悔しやすい
- 省エネラベルと省エネ基準達成率を理解すると損をしない冷蔵庫選びができる
- 年間消費電力量と電気料金単価から自宅の電気代のおおよその負担を把握できる
- 使い方次第で省エネ冷蔵庫デメリットが表面化し電気代が下がらないことがある
- 設置環境と使い方を整えれば省エネ冷蔵庫のメリットがデメリットを上回りやすい
- 自分の暮らし方と予算に合うかを考えることで省エネ 冷蔵庫 デメリットを最小限にできる
参考にしたサイト
経済産業省 資源エネルギー庁/一般財団法人省エネルギーセンター
省エネ型製品情報サイト(トップランナー機器の情報提供)
(冷蔵庫を含む家電製品の年間消費電力量・省エネ基準達成率などを検索できる公的データベース)省エネ型製品情報サイト環境省 COOL CHOICE
家電製品選びは「星の数」に注目(統一省エネルギーラベルの解説)
(統一省エネラベルの星の意味や、省エネ性能の見方を解説したページ)環境省デコ活資源エネルギー庁
エネルギー消費機器の小売事業者等の省エネ法規制
(家電販売店が省エネ性能や年間電気料金を表示するルールを定めた制度の概要)エネ庁パナソニック
冷蔵庫の正しい置き方・設置のポイント
(放熱スペースの目安や直射日光・コンロから離して設置する重要性を解説)Panasonic省エネルギーセンター「省エネラベル・統一省エネラベル」
家電製品の省エネ性能表示ラベルの種類と見方
(「省エネルギーラベル」「統一省エネラベル」「簡易版ラベル」の違いと表示内容を解説)少年家電2

