地震・停電の備えチェックリスト|最低限必要な物と「やってはいけないこと」

家電

❕本ページはPRが含まれております

この記事でわかること

  • 地震停電時に最優先で守るべき「6つの生活機能」と備えの優先順位
  • 電気火災(通電火災)や一酸化炭素中毒など、命に関わる二次災害を防ぐ方法
  • スマホや家電を守る、モバイルバッテリーとポータブル電源の失敗しない選び方
  • 「水があるからトイレを流す」がNGな理由と、正しい非常用トイレの備蓄量
  • 今日から30分でできる、お金をかけない0円の防災アクション

地震による停電対策、ぶっちゃけ「うちは懐中電灯と水があるから大丈夫」
と思っていませんか?

結論から言うと、その考えはかなり危険です。

なぜなら、地震による停電は、ただ「暗くなって不便」になるだけではないからです。
水が止まり、トイレが使えなくなり、エアコンが止まり、調理ができなくなります。
さらに、電気が復旧した瞬間に発生する「通電火災」で家を失うリスクすらあります。

この記事では、防災の専門知識や公的データを元に、家庭で本当に必要な備えを
「優先順位」「予算」「家庭環境」の3つの軸で整理しました。

「何から手をつければいいかわからない」
「高額なポータブル電源は本当に必要なの?」

そんな疑問をすべて解決します。
今日からできる対策を、僕と一緒に一歩ずつ進めていきましょう。

  1. 地震による停電の備えは「6つの機能」から優先する
    1. 最低限、今日確認するもの
    2. 3日分から始め、可能なら1週間へ
    3. 高額なポータブル電源は全家庭の必須品ではない
  2. 地震停電で実際に困ることを先に確認する
    1. マンションでは断水やエレベーター停止にも注意
    2. オール電化住宅は調理・給湯の代替を確認
    3. 夏と冬では優先順位が変わる
  3. 停電に備えて最低限そろえるもの
    1. 照明:ヘッドライト・ランタン・乾電池
    2. 通信:スマホ+モバイルバッテリー
    3. 水・食料:最低3日、可能なら1週間
    4. 調理:カセットコンロ等
    5. 携帯トイレ
    6. 暑さ・寒さ対策
  4. 地震直後に停電したら何をするか
    1. まず揺れから身を守る
    2. 周辺も停電しているか確認
    3. 熱を出す家電のスイッチ・プラグを確認
    4. 避難する場合はブレーカーを落とす
    5. 復電後は家電・配線を確認してから使う
  5. 地震後のトイレは「水があるから流せる」とは限らない
    1. 下水道・排水管の状態を確認
    2. 集合住宅では特に慎重
    3. 携帯トイレを備える
  6. 通電火災を防ぐための備え
    1. 避難時にブレーカーを落とす理由
    2. 感震ブレーカーという選択肢
    3. 感震ブレーカーの種類
    4. 夜間照明を別電源で確保する
  7. モバイルバッテリー・ポータブル電源・発電機の選び方
    1. スマホ中心ならモバイルバッテリー
    2. 小型家電を動かしたいならポータブル電源を検討
    3. 長期電源が必要なら発電機も選択肢だが安全条件が厳しい
    4. 太陽光・家庭用蓄電池・V2Hは住宅設備として別判断
  8. ポータブル電源を買う前に確認する5項目
    1. 必要容量
    2. 定格出力・起動電力
    3. 使いたい家電
    4. 重量・保管場所
    5. 製品安全・サポート
  9. 停電中にやってはいけないこと
    1. 携帯発電機を屋内・車内・テント内で使う
    2. 排水管確認前に大量の水を流す
    3. 避難時に熱器具を通電状態のまま残す
    4. 傷んだ可能性のある食品を安易に食べる
    5. スマホの電池を照明だけで消耗する
  10. 家庭条件別に追加する備え
    1. 一人暮らし
    2. 子どもがいる家庭
    3. 高齢者がいる家庭
    4. 医療機器を使用している家庭
    5. ペットがいる家庭
    6. マンション高層階
    7. オール電化住宅
  11. 30分でできる「地震・停電」備えチェック
    1. 0円でできる確認
    2. 今週買い足す物
    3. 半年ごとに点検する物
  12. まとめ:今日からできる停電対策を

地震による停電の備えは「6つの機能」から優先する

防災対策を始めるとき、多くの人が「防災セット」を丸ごと買おうとします。
しかし、それでは本当に必要なものが抜けていたり、無駄な買い物をしてしまったりします。

大切なのは、商品を買うことではなく、停電によって失われる「6つの生活機能」を守ることです。

その6つの機能とは、以下の通り。

  1. 照明(明かりの確保):転倒やケガを防ぐための最優先機能
  2. 通信(情報の確保):安否確認や正しい情報を得るための命綱
  3. トイレ(衛生の維持):最も早く、かつ深刻に困る排泄問題
  4. 水(生命の維持):脱水を防ぎ、最低限の清潔を保つ
  5. 調理(食事の確保):体温と体力を維持するための熱源
  6. 暑さ・寒さ対策(体温調節):熱中症や低体温症から身を守る

この6つの機能を軸に、それぞれの優先度と必要な対策を一覧表にまとめました。

【早見表】地震停電で守るべき6つの生活機能

機能 災害時のリスク 最低限(今日やる) 追加対策(あると便利) 優先度
1. 照明 暗闇での転倒、ケガ、避難不可 ヘッドライト、懐中電灯 LEDランタン、乾電池 ★★★
(最優先)
2. 通信 デマによる混乱、安否確認不可 スマホ、モバイルバッテリー 防災ラジオ、ソーラーパネル ★★★
(最優先)
3. トイレ 不衛生、感染症、水分補給制限による脱水 携帯トイレ(1人5回/日) 消臭袋、仮設・簡易トイレ ★★★
(最優先)
4. 水 脱水症状、健康被害、手洗い不可 飲料水(1人1日3L) 給水袋、生活用水の備蓄 ★★☆
(重要)
5. 調理 温かい食事がとれず精神的消耗、低体温 カセットコンロ、ボンベ レトルト・非常食のローリングストック ★★☆
(重要)
6. 暑さ寒さ 夏は熱中症、冬は低体温症のリスク 使い捨てカイロ、アルミシート、うちわ ポータブル扇風機、電気毛布、ポータブル電源 ★☆☆
(季節による)

最低限、今日確認するもの

まず、お金を1円もかけずに今日確認できることから始めましょう。

具体的には、手持ちの「スマートフォンの充電状況」や、
「家にある懐中電灯がどこにあるか」を確認するだけです。

いざ大地震が起きて停電した瞬間、真っ暗闇の中で
防災グッズを探すのはほぼ不可能です。
まずは「どこに何があるか」を家族全員で共有することが、
最も費用対効果の高い防災対策になります。

3日分から始め、可能なら1週間へ

公的な情報では、大規模災害に備えた備蓄量として、
「最低でも3日分、可能なら1週間分の備蓄」が推奨されています。

出典:農林水産省「知って備える 家庭備蓄のイロハ」

出典:首相官邸「災害が起きる前にできること」

とはいえ、最初から「全員分の1週間分の食料と水」を完璧に揃えるのは
ハードルが高すぎますよね。

なので、まずは「3日分」を確実に用意することを目標にしましょう。
3日分の備えがあれば、支援物資が届き始めるまでの初期フェーズを
自宅でしのぎきることが可能になります。
そこから徐々にローリングストックを増やし、
1週間分へとステップアップしていくのが、失敗しないコツです。

高額なポータブル電源は全家庭の必須品ではない

最近、防災系SNSやブログで
「ポータブル電源は絶対に買うべき!」という声をよく目にします。

でも、ぶっちゃけ、全員に必須というわけではありません。

ポータブル電源は、安くても数万円、大容量のものなら10万円以上します。
「とりあえず買っておこう」で手を出せる金額ではないですよね。

結論を言うと、スマホの充電や数時間の灯り確保だけであれば、
数千円で買える大容量のモバイルバッテリーと乾電池式のLEDライトだけで
十分に代替可能です。

高額なポータブル電源が必要になるのは、以下のような家庭だけ。

  • 在宅避難で電気毛布や扇風機を絶対に動かしたい
  • オール電化住宅で、停電時の調理や熱源確保に困る
  • 在宅での医療機器(CPAPなど)を稼働させる必要がある

これらに当てはまらないのであれば、まずは低コストな備えを優先し、
浮いた予算を携帯トイレや水、食料の備蓄に回す方が圧倒的に合理的です。

地震停電で実際に困ることを先に確認する

地震による停電は、単に「照明が消えて暗い」という状態だけでは済みません。
現代の家庭は、想像以上に多くの生活システムを電気に依存しています。

内閣府の防災対策情報でも、停電が及ぼす影響として、
照明、調理、冷蔵庫や電子レンジ、冷暖房、給排水の停止、さらには家庭用医療機器への
影響まで幅広く想定しておくべきだと警鐘を鳴らしています。

出典:内閣府「家庭における地震時等の停電対策」

停電が起きた時、私たちの生活にどんな障害が起こるのか。
具体的には以下のものが一気にストップします。

  • 冷蔵庫・冷凍庫:中身が傷む(特に数日続くと食中毒のリスクが高まります)
  • ガス給湯器:ガスが通っていても、制御盤が電気で動いているためお湯が出ない
  • 水道(断水):集合住宅などで電動ポンプを使用している場合、給水が止まる
  • 通信(固定電話・Wi-Fi):ルーターの電源が切れるため自宅Wi-Fiは使用不可に

マンションでは断水やエレベーター停止にも注意

特にマンションなどの集合住宅にお住まいの方は、
戸建てとは異なる特有のリスクに注意が必要です。

最も深刻なのが「水」です。
多くのマンションでは、受水槽から電動ポンプを使って各家庭に水を汲み上げています。

つまり、停電した瞬間、同時に「断水」します。

さらに、エレベーターも当然動きません。
高層階の部屋に住んでいる場合、非常用給水拠点から重い水を
階段で自室まで運ぶのは想像を絶する労働になります。

マンションに住んでいる場合は、通常よりも多めの水(生活用水も含め)の備蓄や、
早い段階でバスタブに水を張るなどの習慣がとても重要です。

オール電化住宅は調理・給湯の代替を確認

オール電化住宅の場合、すべてのエネルギーを電気に一本化しているため、
停電時の影響を最もダイレクトに受けます。

IHクッキングヒーターが使えないため、調理は一切できません。
また、エコキュートなどのお湯も、タンク内のお湯を取り出すことはできる場合がありますが、
新たにお湯を沸かすことは不可能です。

「うちはオール電化だから、電気が止まったらお手上げ」

そう諦める必要はありません。
カセットコンロが1台あれば、お湯を沸かしたり温かい食事を作ったりすることは
十分に可能です。
自分たちの住宅設備が何に依存しているかを理解し、代替手段を1つずつ
用意しておくことが大切です。

夏と冬では優先順位が変わる

停電対策で意外と見落とされがちなのが、「季節」による優先順位の変化です。
エアコンや暖房が止まった室内は、急激に過酷な環境へと変わります。

【夏の停電時の優先事項】
熱中症対策が最優先になります。
エアコンや扇風機が使えないため、室内温度は一気に上昇します。
特に気密性の高いマンションは要注意。
水分のこまめな補給はもちろん、電池式や充電式のポータブル扇風機、
水で冷たくなるタオル、冷却スプレーなどを準備しておく必要があります。

【冬の停電時の優先事項】
防寒対策が最優先になります。
電気毛布やポータブルのガスストーブ, 使い捨てカイロ, アルミブランケットなど
電気を使わずに体温を維持する手段を確保してください。
厚手の衣類や寝袋も非常に有効な備えになります。

停電に備えて最低限そろえるもの

では、具体的に何をどれだけ用意すればいいのか。
ここからは「最低限これだけは揃えておきたい」という超基本の防災グッズを紹介します。

実は、内閣府が令和7年8月に実施した「防災に関する世論調査」によると、
多くの家庭で「飲料水の備蓄(約7割)」や「食料の備蓄(約6割)」は進んでいるものの、
他の重要な防災グッズの備蓄率がかなり低いことが明らかになっています。

出典:内閣府「防災に関する世論調査(令和7年8月)」

  • 飲料水:69.8%
  • 非常食:59.8%
  • 携帯・簡易トイレ:27.2%
  • カセットコンロなどの加熱用熱源:27.7%
  • 暑さ・寒さ対策用品:18.6%

このデータが示す通り、多くの家庭で「トイレ」「加熱手段」「温度管理」が
圧倒的な盲点になっています。
水や食料だけがあっても、トイレが使えなければ生活は数日で崩壊します。
ここからは、この盲点を埋めるための必須グッズを詳しく見ていきましょう。

照明:ヘッドライト・ランタン・乾電池

停電した瞬間、真っ暗闇の中でどう動くか。
ここで最も役立つのが「ヘッドライト」と「LEDランタン」です。

実は、僕も過去に深夜の停電を経験した際、大きな失敗をしました。
「懐中電灯は引き出しにあるから大丈夫」と過信していたのですが、
いざ停電すると一歩先も見えない暗闇。
引き出しを開けるまでの数メートルが、まるで障害物競争のようで、
スマホのわずかな光を頼りに必死に探す羽目になりました。

この経験から、僕は「ライトは部屋のすぐ手に取れる場所に配置する」ことと、
両手が自由になる「ヘッドライト」の重要性を痛感しました。

避難時の移動には、足元と前方を照らせるヘッドライトが圧倒的に安全です。
そして、家族で過ごす部屋全体を優しく照らすにはLEDランタンが不可欠。
それぞれ予備の乾電池も多めにストックしておきましょう。

👉 編集部おすすめのLEDランタンはこちら

停電時に数日間、部屋全体を明るく照らせる信頼性の高い電池式LEDランタンです。電池切れを防ぐため、単3・単4乾電池のパックも一緒に用意しておくと安心です。

AmazonでLEDランタンを見る

通信:スマホ+モバイルバッテリー

災害時の情報収集や安否確認において、スマートフォンは最大の命綱になります。
しかし、スマホも電池が切れてしまえばただの文鎮です。

最低でも、家族全員分+予備として1〜2台のモバイルバッテリーを
常時フル充電で用意しておきましょう。

モバイルバッテリーを購入する際は、国の安全基準を満たしている証である
「PSEマーク」が表示されていることを必ず確認してください。
安価な未認証品は、いざという時に使えなかったり、最悪の場合
発火や爆発の原因になったりします。

出典:経済産業省「モバイルバッテリーに関するFAQ」

👉 信頼のPSEマーク付き大容量モバイルバッテリー

スマホを約3〜4回フル充電できる大容量で、信頼の安全規格をクリアしたモバイルバッテリー。普段使いにもおすすめの定番モデルです。

Amazonでモバイルバッテリーの詳細を見る

水・食料:最低3日、可能なら1週間

飲料水と非常食は、生命維持の基本です。
飲料水は、大人1人につき「1日約3リットル」が目安になります。
3人家族であれば、3日分で27リットル(2Lペットボトルで約14本分)が必要です。

出典:農林水産省「知って備える 家庭備蓄のイロハ」

非常食は、調理不要、あるいはカセットコンロなどの熱源があれば
簡単に食べられるアルファ化米やレトルト食品、缶詰などが最適。
これらは普段から少し多めに買い置きし、期限が古いものから消費して
買い足す「ローリングストック」を習慣にすると、無駄がありません。

調理:カセットコンロ等

ガスや電気がストップした停電時、カセットコンロがあれば
温かい食事やお湯を用意することができます。
精神的に大きな不安を抱える避難生活において、
「温かい食べ物」を口にできるかどうかは、心身の健康維持に絶大な影響を与えます。

用意するカセットボンベの量は、1人あたり「3日分で約3本」が目安。
カセットコンロ本体も、いざという時に劣化していて動かない、
ということがないよう、時々使って動作チェックをしておきましょう。

携帯トイレ

多くの防災ガイドが「水や食料より先にトイレを準備すべき」と断言するほど、
災害時のトイレ問題は深刻です。

大地震が起きた後は、水が通っていても下水道管や建物の排水管が
破損している恐れがあります。
そのまま流すと、下の階に汚水が漏れたり、自分の部屋に逆流したりします。
そのため、排水設備の安全が確認できるまでは絶対にトイレを流してはいけません。

携帯トイレ(便器に袋を被せて凝固剤で固めるタイプ)を、
1人あたり「1日5回分×3日分=最低15回分(できれば1週間分で35回分)」
を人数分、必ず備蓄しておきましょう。

👉 災害時に備える!携帯トイレ50回分セット(防臭袋付き)

凝固スピードが早く、ニオイ漏れを防ぐ高性能な防臭袋がセットになった携帯トイレ。長期保存が可能なので、一度用意しておけば長く安心が続きます。

Amazonで非常用トイレセットを見る

暑さ・寒さ対策

電気が止まりエアコンやヒーターが使えなくなると、
室内温度は急激に過酷なものになります。

先ほど紹介した世論調査でも、この「暑さ・寒さ対策」の備えが
18.6%と最も低くなっていました。

夏は熱中症対策として、首に巻くネッククーラーや、
電池式のポータブルファン、ハンディ扇風機などを用意。
冬は低体温症を防ぐために、使い捨てカイロや保温性の高いアルミシート、
カセットガスストーブなどを準備しておきましょう。

地震直後に停電したら何をするか

いざ大地震が発生し、それと同時に停電が起きたら、
私たちはどのような手順で行動すべきでしょうか。

焦って闇雲に動くのは非常に危険です。
安全を最優先にし、二次災害を防ぐための正しい「初動ステップ」を
フロー図にまとめました。

【フロー図】地震停電直後の正しい行動手順

① まず身の安全の確保(机の下に隠れる、頭を守る)
  ↓
② 揺れが収まったら避難経路の確保(ドアや窓を開ける)
  ↓
③ 周辺の停電状況を確認(自宅だけか、地域全体か)
  ↓
④ 熱を出す家電のプラグを抜く(アイロン、ドライヤー、ヒーター等)
  ↓
⑤ 避難する(あるいは在宅避難を続ける)
※避難所等へ移動する場合は、必ず分電盤のブレーカーを落とす

まず揺れから身を守る

地震が起きた瞬間、停電したからといってすぐに
ライトを探し始めたり、外に飛び出したりしてはいけません。

まずはその場所で「自分の身の安全を確保する」ことが最優先です。
家具の転倒、ガラスの飛散、吊り下げ照明の落下などから
頭を守るため、頑丈な机の下に潜り込むなどの行動をとってください。

気象庁の防災情報でも、地震時は停電対策や火災予防よりも、
まずは自分の命を守る安全行動(シェイクアウトなど)を
日頃から体に叩き込んでおくことが重要とされています。

出典:気象庁「地震から身を守る行動」

周辺も停電しているか確認

揺れが十分に収まったら、安全を確保しながら
周辺の状況を確認しましょう。

停電が「自分の家だけ」で起きているのか、それとも
「近所や街全体」で起きているのかを見極めます。

窓から外を見たり、送配電事業者の停電情報アプリなどを
確認したりすることで、状況を把握できます。
もし自宅のブレーカーだけが落ちている場合は、
家の中の電化製品のショートや、ブレーカーの過負荷が
原因である可能性が高くなります。

熱を出す家電のスイッチ・プラグを確認

停電が確認できたら、必ず家の中の「熱を出す家電」の
スイッチを切り、コンセントからプラグを抜いてください。

具体的には、ドライヤー、ヘアアイロン、電気ストーブ,
オーブントースター、アイロンなどです。

これらは、停電が復旧した(復電した)瞬間に、
スイッチがONのまま放置されていると、急激に熱を持ち始めます。
近くにある衣類や布団などに引火し、あっという間に「火災(通電火災)」を
引き起こす最大の原因になります。

避難する場合はブレーカーを落とす

もし自宅から避難所や親戚の家などへ一時的に移動する場合は、
家を出る前に「必ず分電盤の主ブレーカーを落として」ください。

消防白書でも、避難時のブレーカー遮断は
電気火災を防ぐために極めて重要であると推奨されています。

出典:総務省消防庁「令和5年版消防白書 地震火災への備え」

外出中に電気が復旧し、誰もいない部屋で電気ストーブや
配線の損傷部分から火が出る「通電火災」を防ぐため、
ブレーカーを落とすことを忘れないようにしましょう。

復電後は家電・配線を確認してから使う

電気が復旧した際、すぐにすべてのブレーカーを上げて
電化製品を使ってはいけません。

まずは、家の中に焦げ臭いニオイがしないか、
壁のコンセントや電化製品のコードが地震で破損していないか、
水漏れで電化製品が濡れていないかを慎重に確認します。

安全を確認した上で、主ブレーカーを上げ、
家電製品の電源を1つずつ入れて動作を確認してください。
少しでも異常を感じたら、使用を中止し、
専門の電気店や電力会社に見てもらいましょう。

地震後のトイレは「水があるから流せる」とは限らない

「断水していないし、水洗トイレのタンクに水が残っているから、流しても大丈夫」

そう考えてしまうのは、地震災害における最大の落とし穴の1つです。

結論から言うと、地震の後はどれだけ水があっても、
安全が確認できるまでトイレを絶対に直接流してはいけません。

その理由と、流しても良いかどうかの判断フローをまとめました。

【判断フロー】地震後のトイレ使用の可否

① 大地震が発生した
  ↓
② 自治体や水道局から「下水道の使用制限」は出ているか?
 ・出ている(または不明) → 流すのはNG(携帯トイレを使用)
 ・出ていない → 次の確認へ
  ↓
③ 自宅や建物内の排水管に破損や水漏れはないか?
 ・ある(または未確認) → 流すのはNG(携帯トイレを使用)
 ・完全に安全が確認できた → 流してもOK

下水道・排水管の状態を確認

地震の揺れによって、目に見えない地下の下水道管や、
家の中の排水管が歪んだり割れたりしていることがあります。

東京都下水道局の防災ガイドでも、大地震の後、排水設備や
下水道管が破損した状態でトイレを使用すると、
汚水が逆流したり漏水したりする危険があると明示されています。

出典:東京都下水道局「災害時のトイレ対策」

さらに、自治体から「下水道の使用を控えてください」という制限が
出されることもあります。
※これらは住んでいる地域や震度、地盤の状況によって異なるため、
必ず「地域差あり」としてご自身の地域の状況を確認してください。

集合住宅では特に慎重

マンションなどの集合住宅では、トイレ問題は
自分だけの問題ではありません。

高層階の人が排水管の状況を確認せずに水を流すと、
割れた排水管から漏れ出た汚水が、下の階の部屋の天井から
ポタポタと落ちてくる大惨事につながります。

「上の階の住人が勝手に水を流したせいで、我が家が汚水まみれになった」

このような近隣住民同士の深刻なトラブルが、
過去の震災時にも数多く報告されています。
マンション全体の排水管の安全確認(管理組合などの調査)が終わるまでは、
「絶対に水は流さない、携帯トイレを使う」をルール化しておきましょう。

携帯トイレを備える

排水管の安全が確認されるまでの数日間、
家族の排泄を支える唯一の手段が「携帯トイレ」です。

便器の中にゴミ袋のような専用の袋をセットし、
その中に用を足した後、固めてニオイを抑える凝固剤を振りかけるもの。

「まあ、いざとなれば庭の土にでも埋めればいいか」
と考えていると、実際に停電や断水が起きたときに詰みます。
特にマンションなどの都市部では、ゴミを出すことも制限されるため、
ニオイを完全に閉じ込める「防臭袋(BOSなど)」がセットになった
携帯トイレを多めに用意しておくのが、在宅避難を乗り切る極意です。

通電火災を防ぐための備え

地震が起きた後の二次災害で、最も恐ろしいもの。
それが「電気火災(通電火災)」です。

総務省消防庁のデータによると、大規模地震における火災の
過半数が「電気に起因するもの」であることがわかっています。

出典:総務省消防庁「感震ブレーカー」

停電が起きたら、まず火災を防ぐための行動を
徹底することが、家族と家を守るために不可欠です。

避難時にブレーカーを落とす理由

なぜ、避難するときにわざわざブレーカーを落とさなければ
ならないのでしょうか。

理由は簡単です。
「停電が復旧した瞬間(通電時)に、誰もいない部屋で火が出るから」

大地震の揺れで倒れた家具が、むき出しになった電線や
家電製品のコードを傷つけていることがあります。
そのまま放置された状態で電気が復旧すると、
傷ついたコードから一気にショートして火花が散り、
近くのカーテンや散乱した本に引火します。

避難するときには、絶対に主ブレーカーを落とす、
というルールを忘れないでください。

感震ブレーカーという選択肢

しかし、大地震が起きたパニック状態で、
「避難するときに忘れずにブレーカーを落とす」というのは、
思った以上に難しいものです。

そこで非常に有効なのが、自動で電気を遮断してくれる
「感震ブレーカー」の設置です。

感震ブレーカーは、設定された以上の強い揺れ(一般的には震度5強以上)を
感知すると、自動的に電気の供給をシャットアウトしてくれます。
これにより、仮にパニック状態でそのまま家を飛び出したとしても、
復電時の火災を未然に防ぐことが可能になります。

感震ブレーカーの種類

感震ブレーカーには、予算や設置方法に応じていくつかの種類があります。
それぞれの特徴を簡単にまとめました。

  1. 分電盤タイプ(推奨)
    家の電気の元である「分電盤」に感知器を組み込むもの。
    家全体の電気を確実に遮断でき、最も安全性が高いタイプです。
    電気工事店による設置工事が必要になります(自治体によっては補助金が出る地域もあります)。

  2. コンセントタイプ
    個別の壁コンセントに設置するもの。
    電気ストーブや電子レンジなど、特に火災リスクの高い家電のコンセントに
    部分的に設置できます。工事不要で自分で取り付けられるものもあります。

  3. 簡易タイプ(お手軽)
    バネや重りの力を利用して、揺れた瞬間にブレーカーのスイッチを
    物理的に引き下げるおもちゃのような器具。
    数千円と非常に安価で、誰でも簡単に後付け可能です。

夜間照明を別電源で確保する

非常に頼りになる感震ブレーカーですが、
実は1点だけ、大きなデメリット(注意点)があります。

それは、「夜間に大地震が起きた場合、作動した瞬間に一瞬で家が真っ暗闇になる」こと。

揺れが収まってから避難しようにも、足元が見えず、
散乱したガラスや家具を踏んでケガをするリスクが跳ね上がります。
そのため、感震ブレーカーを導入する場合は、
必ず「自動で点灯する足元灯(保安灯)」や、
常に枕元に置いておくヘッドライトなどの
「別電源の夜間照明」をセットで準備してください。

電気が消えた瞬間に、内蔵バッテリーでフワッと自動点灯する
コンセント差し込み式の保安灯(数千円で買えます)が
廊下や寝室にあるだけで、夜間の生存率は劇的に上がります。

モバイルバッテリー・ポータブル電源・発電機の選び方

停電対策として、最も頭を悩ませるのが「非常用電源」の選択です。
「モバイルバッテリー」「ポータブル電源」「発電機」など、
様々な選択肢がありますが、どれが自分の家庭に合っているか
判断が難しいですよね。

それぞれの電源の特徴を一覧表で徹底比較しました。

【比較表】非常用電源の選び方と特徴

選択肢 主用途 初期費用 手間 長所 弱点 向く家庭
乾電池 懐中電灯、ラジオ 非常に低い(数百円〜) 低い 長期保管が容易、入手しやすい スマホの急速充電や家電使用は不可 すべての家庭
モバイルバッテリー スマホの充電、ハンディ扇風機等 低い(数千円) 低い 軽量で携帯性抜群、普段使い可能 AC100V家電(コンセント製品)は動かせない すべての家庭(スマホ充電が主目的)
ポータブル電源 扇風機、電気毛布、小型IH等 中〜高い(数万〜数十万円) 家の中で安全に家電を動かせる 重い、電池寿命あり、定期充電が必要 暑さ寒さをしのぐ家電を使いたい家庭
携帯発電機 長時間の冷蔵庫や大電力家電 中〜高い(数万〜十数万円) 高い 燃料(ガソリン等)があれば継続発電可能 騒音大、排ガス(屋内使用不可) 屋外で安全に動かせる環境(庭等)がある家庭
蓄電池・V2H 家全体の電気(エアコン、お湯等) 極めて高い(100万円〜) 施工後は自動 停電した瞬間自動で切り替わる 導入費用が超高額、工事必須 一戸建て、太陽光発電とのセット導入

スマホ中心ならモバイルバッテリー

「電気が消えても、スマホさえ使えればいい」

そう考えるのであれば、高価なポータブル電源は一切不要。
モバイルバッテリーを人数分、しっかり揃えましょう。

前述の通り、モバイルバッテリーは「PSE適合品」であることが
絶対条件です。
また、停電に備えるなら、1人あたり「10,000mAh〜20,000mAh」程度の
容量を持つ大容量モデルを推奨します。
10,000mAhあれば、一般的なスマホを約2回フル充電できます。

普段の通勤や旅行でも使っていれば、バッテリーの劣化にも
すぐに気づけるため、まさに「普段使いの防災グッズ」として
最適の選択肢です。

小型家電を動かしたいならポータブル電源を検討

「停電中も、夏に扇風機を回したい、あるいは冬に電気毛布で寝たい」
「オール電化だけど、電気ケトルやIHを少しだけ使いたい」

そのような場合は、コンセント(AC100V出力)が使える
「ポータブル電源」の購入を検討しましょう。

ポータブル電源があれば、停電中の「在宅避難」の快適性が
劇的に向上します。
ただし、ポータブル電源は現行の電気用品安全法上、
モバイルバッテリーと同じ安全規制の枠組みには入っていない場合があるため、
品質の悪い格安モデルを避けるなど、製品の信頼性チェックが
より一層大切になります。

出典:経済産業省「ポータブル電源の安全性要求事項」

👉 災害・停電対策に最適な信頼のポータブル電源

世界的な電源メーカーが提供する、長寿命で安全性の高いポータブル電源。スマートフォンの複数台充電はもちろん、扇風機や電気毛布などの小型家電を数日間にわたって動かすことができます。

ポータブル電源の詳細を見る

長期電源が必要なら発電機も選択肢だが安全条件が厳しい

燃料(ガソリンやカセットボンベ)を燃やしてその場で電気を作る
「携帯発電機」は、ポータブル電源と違って
「燃料がある限り何日でも電気を作れる」という強力な長所があります。

しかし、発電機には極めて重大な危険が伴います。

それは、排気ガスに含まれる「一酸化炭素(CO)」です。

製品評価技術基盤機構(NITE)の発表でも、停電時に
発電機を「屋内」「車内」「テント」「マンションのベランダ」などで
使用したことによる一酸化炭素中毒での死亡事故が
後を続ねないと警告されています。

出典:製品評価技術基盤機構(NITE)「停電時の発電機によるCO中毒・通電火災」

一酸化炭素は無色・無臭のため、気づかないうちに意識を失い、
最悪の場合死に至ります。
「絶対に屋外の、周囲に窓や換気口がない風通しの良い場所」でしか
運転できないため、マンション住まいの家庭などでは
基本的に選択肢から除外すべきです。

太陽光・家庭用蓄電池・V2Hは住宅設備として別判断

「いざとなったら、太陽光パネルやEV(電気自動車)から給電する」

これは究極の備えです。
特に一戸建てにお住まいで、すでに太陽光発電や
電気自動車(EV)から家に電気を戻す「V2Hシステム」、
あるいは家庭用蓄電池を導入されている場合、
数日どころか長期にわたる停電でも、ほぼ普段通りの生活を
維持することが可能になります。

ただし、これらは導入に100万円以上の費用がかかる「高額な住宅設備」です。
「停電対策のためだけにゼロから導入する」というよりは、
日頃の電気代削減や、自動車の乗り換え、住宅の新規購入などの
大きなライフイベントのタイミングに合わせて、
トータルで検討すべき領域になります。

ポータブル電源を買う前に確認する5項目

もしあなたが、「やっぱりわが家にはポータブル電源が必要だ」と
判断された場合、購入ボタンを押す前に以下の5つのポイントを
必ず確認してください。

格安の怪しい製品を購入すると、「いざ停電したときに
必要な家電が動かなかった」「バッテリーが急激に劣化した」などの
失敗をすることになります。

必要容量

ポータブル電源のバッテリー容量は「Wh(ワットアワー)」という単位で
表されます。

これは、「消費電力(W)× 使用時間(h)」で計算されます。

例えば、消費電力50W of 電気毛布を7時間使いたい場合、
「50W × 7h = 350Wh」の容量が最低限必要になります。
(※実際には放電ロスがあるため、計算上の1.2倍〜1.3倍程度の
余裕を持った容量を選ぶのが基本です。)

  • スマホ充電のみ:モバイルバッテリーで十分(ポータブル電源は不要)
  • 小型家電を1〜2晩使用(扇風機、電気毛布など):400Wh〜700Wh
  • 大電力家電や数日間の使用(電気ケトル、電子レンジなど):1,000Wh以上

定格出力・起動電力

容量(Wh)がどれだけ大きくても、「出力(W)」が足りなければ
家電はピクリとも動きません。

確認すべきなのは「定格出力(W)」です。

例えば、消費電力1,200Wのドライヤーを動かすには、
定格出力1,200W以上のポータブル電源が必要。
定格出力が500Wしかない電源に1,200Wのドライヤーをつなぐと、
過負荷を防止する安全装置が働いて即座に停止します。

また、電化製品の中には、動き出す瞬間に
消費電力の数倍の電力を必要とするもの(冷蔵庫やモーター搭載機器の「起動電力」)
があります。これらも考慮して、少し出力に余裕のある
モデルを選んでおきましょう。

使いたい家電

「ポータブル電源があれば、家中の電化製品が何でも動かせる」
というのは大きな勘違いです。

エアコン、電子レンジ、ドラム式洗濯機、IHクッキングヒーターなどの
「熱を生み出す家電」や「大型家電」は、
消費電力が1,000W〜1,500Wと非常に大きいため、
大型で高価なポータブル電源(15万〜20万円クラス)でなければ
基本的に動かせません。

あなたが停電時に「絶対に維持したい家電」は何でしょうか。
「スマホとライト、あとはせいぜい電気毛布だけ」なら、
小型で安価な電源で十分事足ります。
使いたい家電をあらかじめ紙に書き出してみましょう。

重量・保管場所

大容量・高出力のポータブル電源は、
想像以上に「重くて大きい」です。

1,000Whを超えるモデルになると、重さは10kg〜20kg以上になります。
「いざという時に、女性や高齢者が2階から1階へ、
あるいは車へと運べる重さか」を必ずチェックしてください。

また、ポータブル電源のバッテリー(リチウムイオン電池など)は、
直射日光の当たる場所や、高温多湿になる環境(夏の車内など)での
常時保管はNG。劣化を早め、最悪の場合火災のリスクを高めます。
「風通しが良く、温度変化の少ない涼しい室内」に
保管スペースが確保できるかを確認しておきましょう。

製品安全・サポート

ポータブル電源は、中に巨大なリチウム電池を搭載している
「エネルギーの塊」です。

製品の信頼性が低いと、最悪の場合、家を焼き払うような
発火・爆発事故を引き起こすリスクがあります。

購入の際は、以下の条件を満たしているか、必ず確認してください。

  • リン酸鉄リチウムイオン電池(LiFePO4)を採用しているか
    従来のバッテリーに比べて圧倒的に熱安定性が高く、長寿命(約3,000回充放電可能)なのが特徴です。
  • 安心できる有名メーカーか
    Anker、EcoFlow、Jackeryなどの信頼と実績のある世界的メーカーを強く推奨します。
  • メーカー保証や日本語でのサポート、不要時の回収サービスがあるか
    ポータブル電源は一般のゴミとして捨てられません。使い古した後にメーカーが回収してくれる制度があるかも重要な選定基準です。

停電中にやってはいけないこと

災害によるパニックや情報不足から、
「良かれと思ってやった行動」が、致命的な事故やトラブルを
引き起こすことがあります。

ここでは、停電中に「絶対にやってはいけないNG行動」と、
その理由、そして取るべき代替アクションをまとめました。

【NG行動リスト】停電中に避けるべき5大NG

やってはいけないこと 潜むリスク 正しい代替行動
携帯発電機を屋内で使う 一酸化炭素中毒(最悪の場合死亡) 絶対に「屋外の風通しの良い場所」でのみ運転する
確認前にトイレを流す 汚水の逆流、階下への漏水 排水管の安全が確認されるまで携帯トイレを使う
熱器具をコンセントに挿したまま避難する 通電時の火災(通電火災) アイロンやヒーターのプラグを抜き、ブレーカーを落とす
冷蔵庫の傷んだ食品を食べる 重篤な食中毒 冷蔵庫の開閉を最小限にし、傷んだ疑いのある物は廃棄
スマホのライトを照明代わりに使い続ける スマホの電池切れ(通信遮断) 暗闇対策には専用のLED懐中電灯やヘッドライトを使う

携帯発電機を屋内・車内・テント内で使う

携帯発電機を家の中や車内、
テントの中などの「密閉された半密閉空間」で使うことは、
絶対にやめてください。

「窓を少し開けて換気しているから平気」というのも
大きな誤解です。

携帯発電機が排出するガスは一酸化炭素(CO)の濃度が非常に高く、
ほんの数分で致死量に達します。
NITE(製品評価技術基盤機構)でも、ベランダ等も含めて、
屋内やその近くでの発電機使用について強力な注意喚起が行われています。

排水管確認前に大量の水を流す

地震の後、水道が通っているから、あるいはバスタブの残り水を
バケツに汲んで、トイレに一気に流し込むことは非常に危険です。

床下や建物の排水管自体が地震の揺れで
ズレたり割れたりしていることがあります。

「自分の部屋からは流れて消えた」ように見えても、
その水は割れた排水管から漏れ出し、下の階の天井裏に溜まって、
階下の部屋に汚水として滴り落ちることになります。
排水管の健全性が確認されるまで、トイレの直接排水は厳禁です。

避難時に熱器具を通電状態のまま残す

大地震が起きて急いで近くの避難所へ逃げるとき、
ヘアアイロンや電気ストーブなどのプラグをコンセントに入れたまま
家を出てはいけません。

避難した後に電気が復旧した際、
誰もいない家の中でこれらの熱器具が再び動き出すことで、
「通電火災」が発生します。

避難する際は、必ずすべての家電のプラグをコンセントから抜き、
分電盤の「主ブレーカーを落としてから」玄関のドアを閉めましょう。

傷んだ可能性のある食品を安易に食べる

停電すると、冷蔵庫や冷凍庫の冷気が失われます。
停電時に冷蔵庫の扉を開けずにいれば、冷気は約2〜3時間は維持されると
言われていますが、それ以上の長時間の停電になると、
内部の温度は確実に上昇します。

厚生労働省の食中毒防止ガイドでも、ライフライン寸断時は
低温保管が困難になり、食品が急速に傷んで食中毒のリスクが高まるため、
食品の取り扱いに十分注意するよう指導されています。

出典:厚生労働省「食中毒」

「冷蔵庫に入っていたから大丈夫だろう」と過信せず、
酸っぱいニオイがしたり、ぬめりがあったりする食品は
迷わず廃棄してください。非常時における食中毒は、
医療機関が麻痺しているため死活問題になります。

スマホの電池を照明だけで消耗する

「停電したから、スマホのライト機能(懐中電灯アプリなど)を
点灯させて足元を照らそう」

これも、緊急時の初動の数分間だけであれば仕方がありませんが、
照明代わりに使い続けるのはNGです。

スマホのライトは思いのほかバッテリー消費が激しく、
肝心な安否確認や情報収集(津波や避難情報の確認)の段階で
スマホの充電が切れてしまう、という本末転倒な事態になります。

照明は、乾電池式やUSB充電式の専用LEDライトに任せ、
スマホのバッテリーは「通信・情報収集」のために
温存しておくのが正しい鉄則です。

家庭条件別に追加する備え

防災対策は、住んでいる人数や、家族構成、
住宅のタイプによって「本当に必要な備え」が180度変わります。

ここからは、あなたの家庭の状況に合わせた
「追加すべき防災グッズとアクション」を紹介します。

ご自身の家庭に該当する部分を、ピンポイントで
チェックしてみてください。

一人暮らし

一人暮らしの場合、最大の敵は「孤独と不安」、
そして「防犯」です。

停電して外灯も消えた街は、想像以上に暗く、治安が低下しやすくなります。
特に女性の一人暮らしの場合は、停電時であっても
戸締まりを徹底し、暗闇に乗じた不審者の侵入を
防ぐための対策が欠かせません。

また、周囲に助けを求めにくい環境だからこそ、
近隣の避難所の場所を確認しておくことや、
遠方の家族と連絡を取るための「171(災害用伝言ダイヤル)」の
使い方を事前に練習しておくことが大切です。

子どもがいる家庭

小さなお子様がいる家庭では、停電による「暗闇」や
「生活環境の急変」が、子どもにとって大きな恐怖になります。

お気に入りのぬいぐるみや、電池で動く小さなおもちゃ、
トランプなどのアナログゲームを用意しておくと、
停電中の子どもの不安を和らげるのに絶大な効果があります。

また、赤ちゃんがいる場合は、以下の備蓄が必須です。

  • 液体ミルク(お湯が沸かせなくても、そのまま授乳可能です)
  • おむつとおしりふき(普段の1.5倍以上のストックを推奨します)
  • 消臭機能付きのゴミ袋(ゴミ出しが制限された時のマストアイテム)

高齢者がいる家庭

高齢の家族がいる場合、暗闇の中での「転倒・骨折」は、
そのまま寝たきりにつながる非常に恐ろしいリスクです。

寝室からトイレまでの動線に、前述した「自動点灯式の保安灯」を
必ず設置しておきましょう。

また、持病の薬(常備薬)は、常に「最低でも1週間〜10日分」は、
手元にストックが残るように処方してもらう(お薬手帳も一緒に保管する)
という習慣が、電気の復旧を待つ期間の命綱になります。

医療機器を使用している家庭

在宅で人工呼吸器や酸素濃縮器、CPAP(持続陽圧呼吸療法)などの
「電力が必要な医療機器」を使用している家庭にとって、
停電は一分一秒を争う死活問題です。

ここでは、個人の判断で一般的なポータブル電源を
購入して対策を終わらせてはいけません。

必ず、使用している「医療機器のメーカー」や、
主治医、医療提供者と事前に相談し、
「停電時の非常用バックアップシステムはどうなっているか」
「緊急時の連絡先や避難先はどこか」
を明確にした個別計画を策定・確認しておいてください。

医療機器によっては、一般的な家庭用ポータブル電源(疑似正弦波など)では
正しく作動しない、あるいは急な故障につながる恐れがあるため、
公的な専門のアドバイスが不可欠です。

ペットがいる家庭

災害時、避難所(同伴避難など)ではペットの受け入れ制限が
厳しいことが多いため、基本的には「在宅避難」を
想定した備えが中心になります。

ペットのための備蓄として、以下のものを
最低7日分(できれば14日分)用意しましょう。

  • 普段食べ慣れているフード・水
  • ペットシーツや猫砂などの排泄用品
  • 予備の首輪やリード、キャリーバッグ(ケージ)
  • ペットの常備薬

慣れない停電の暗闇や、地震の揺れでペットもパニックになります。
ケガを防ぐためにも、安全にケージ内に隔離できる環境を
日頃から作っておくことが大切です。

マンション高層階

エレベーターが完全に停止するマンション高層階では、
一度部屋に閉じ込められると「下山(外に出ること)」が
極めて難しくなります。

そのため、戸建て家庭よりも「在宅避難の期間が長くなる」ことを
前提に、水や食料、携帯トイレを通常よりも
多め(1週間〜10日分)に備蓄しておきましょう。

また、停電によってマンション全体の給水ポンプが停止するため、
「水が1滴も出ない断水」への備えとして、
非常用のポリタンク(折りたたみ式が便利です)や、
水を運ぶための背負えるリュック型給水袋なども用意しておくと、
万が一の階段昇降時に負担を減らすことができます。

オール電化住宅

オール電化住宅は、すべての熱源や給湯を
電気のみに依存しているため、停電時の備えの重要性は
他の住宅タイプの比ではありません。

調理器具として「カセットコンロとカセットボンベ」を
確実に用意するのはもちろんのこと、
「エコキュートや電気温水器のタンク内から、
非常用水を取り出す方法」をあらかじめ確認しておきましょう。

多くの貯湯タンクには、非常用の取水栓がついており、
停電・断水時でもタンク内の温水(あるいは水)を、
生活用水(トイレの流し水など)として数百リットル単位で
取り出すことができます。
取扱説明書を読み、一度実際に取り出し口を確認しておくことを
強く推奨します。

30分でできる「地震・停電」備えチェック

「色々と準備することがあって、頭がパンクしそう…」

そう思いましたよね。
一気にすべてをやろうとする必要はありません。

まずは、今日から「30分だけ」時間を使って、
できることから一歩ずつ行動を起こしてみましょう。

時間軸に沿ったチェックリストを用意したので、
まずは「0円の確認」から順番に進めてみてください。

0円でできる確認

今すぐ、自宅でできる「無料の防災アクション」です。

  • [ ] スマートフォンの設定で、緊急速報メールや防災アプリの通知がONになっているか確認する
  • [ ] 家族全員のスマートフォンの充電を100%にする
  • [ ] 自宅にあるすべての懐中電灯やライトの場所を確認し、電池が切れていないかテストする
  • [ ] 避難する際のルート(玄関、窓)に、転倒しそうな家具や荷物が置かれていないか確認する
  • [ ] 住んでいる自治体のハザードマップや、最寄りの避難所の場所をネットで確認する

今週買い足す物

今週のうちに、ネット通販や近くのホームセンターで
揃えておきたい防災グッズです。

  • [ ] ヘッドライトまたは首掛け式ライト(家族の人数分)
  • [ ] 携帯トイレ(防臭袋付き:1人あたり最低15回分以上)
  • [ ] 飲料水(ペットボトル:1人1日3Lを目安に3日分)
  • [ ] カセットコンロとカセットボンベ(1人あたり目安3本)
  • [ ] スマホ用モバイルバッテリー(PSEマーク付き:10,000mAh以上を1人1台)
  • [ ] (季節に合わせ)使い捨てカイロ、アルミブランケット、またはポータブル扇風機

半年ごとに点検する物

防災対策は、一度揃えたら終わりではありません。
カレンダーに「点検日」を登録し、半年に1回は以下の項目を確認しましょう。

  • [ ] 非常食、飲料水、カセットボンベの消費期限を確認(ローリングストック)
  • [ ] モバイルバッテリーとポータブル電源の残量を確認し、100%まで再充電する
  • [ ] 各種ライトの動作確認と、予備電池の液漏れがないか確認
  • [ ] 携帯トイレの保管状態や劣化(湿気など)がないか点検
  • [ ] 家族全員の安否連絡手段(災害用伝言ダイヤルのテストなど)を再共有

まとめ:今日からできる停電対策を

最後に、この記事で解説した重要なポイントを
もう一度おさらいしましょう。

  • 停電対策は「6つの生活機能」から優先順位を考えて備える
  • 飲料水の備蓄に比べ、携帯トイレやカセットコンロの備蓄率は圧倒的に低いので優先して揃える
  • 地震の後は「水が通っていても下水道破損の恐れがある」ため排水管確認までトイレは流さない
  • 避難時はコンセントのプラグを抜き、必ず「主ブレーカー」を落として通電火災を防ぐ
  • 高額なポータブル電源は全員に必須ではなく、スマホ充電のみなら大容量モバイルバッテリーで十分
  • 携帯発電機は「一酸化炭素中毒」の危険が極めて高いため、絶対に屋内や半密閉空間で使用しない

防災対策を先延ばしにしても、災害は待ってくれません。
まずは、スマホの充電を満タンにすること、
そして1台の懐中電灯の場所を確認することから始めてみてください。

あなたのちょっとした行動が、大切な家族と、
あなた自身の命を救う最大の備えになります。